東京都中央区日本橋箱崎町4-6
アライズ第3ビル
FAX:03-5643-2217
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診療と新薬 2024;61(12):753-764
ダプトマイシン静注用350 mg「ニプロ」における保存安定性評価および血管刺激性評価:室温で3年間保存可能なダプトマイシン製剤(後発医薬品)
阪本和子 1),黒川由紀 1),新開規弘 1),井上裕之 2),鹿取建志 1),初鹿稔 1)
1)ニプロ株式会社 医薬事業部 医薬品研究所,2)ニプロ株式会社 国内事業部 国内商品開発・技術営業本部
Shinryo to Shinyaku (Med Cons New-Remed)2024;61(12):753-764
診療と新薬 2024;61(12):753-764
ダプトマイシン静注用350 mg「ニプロ」における保存安定性評価および血管刺激性評価:室温で3年間保存可能なダプトマイシン製剤(後発医薬品)
阪本和子 1),黒川由紀 1),新開規弘 1),井上裕之 2),鹿取建志 1),初鹿稔 1)
1)ニプロ株式会社 医薬事業部 医薬品研究所,2)ニプロ株式会社 国内事業部 国内商品開発・技術営業本部
Shinryo to Shinyaku (Med Cons New-Remed)2024;61(12):753-764
ダプトマイシンはメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に対して強力な殺菌作用を示す薬剤である。今般,ダプトマイシン製剤の後発医薬品を開発するにあたり,室温での保存が可能であり,また,溶解性の優れた製剤を目指した。そこで,糖,糖アルコールおよびアミノ酸等の中から安定剤となり得る各種添加剤を加えて調製した製剤を60℃にて保存し,21日後における不純物量を評価することにより,安定剤としてL-アルギニン400 mgおよびD-マンニトール80mgを選定した。選定した安定剤を添加した製剤について,安定性試験ガイドラインに準じて,加速試験および長期保存試験を実施した結果,不純物の経時的な増加が認められたものの,ダプトマイシン含量および溶解時間に経時変化はほとんど認められず,本製剤の貯法および有効期間は「室温」および「3年」と設定することができた。
本製剤の製剤特性として,貯法は室温であり,溶解前に室温に戻す操作は不要である点および溶解液を注入後,数分間ゆっくりとバイアルを回すことにより溶解可能であり,溶解性の優れている点が挙げられる。
なお,本製剤ではL-アルギニン400 mgおよびD-マンニトール80 mgを添加剤として加えることにより,溶解後の浸透圧比が先発医薬品に比べて高くなることから,ウサギを用いて血管刺激性について検討を行った。その結果,静脈内急速投与,静脈内持続投与共に血管刺激性を誘発する可能性は低く,その程度は先発医薬品と同程度であると考えられた。
以上の結果をもって,本製剤は『ダプトマイシン静注用350 mg「ニプロ」』として,2023年8月15日に本邦において医薬品製造販売承認を取得した。
キーワード:ダプトマイシン,抗菌,MRSA,凍結乾燥,後発医薬品,安定性試験,室温,溶解性,血管刺激性
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診療と新薬 2024;61(12):765-771
高TG血症合併慢性肝疾患におけるペマフィブラートの治療効果
木村修,乙竹秀明,安斎剛彦,今村健人,上埜楓美子,平本圭一郎,阿曽沼祥,佐藤晃彦,下瀬川徹
みやぎ県南中核病院消化器内科
Shinryo to Shinyaku (Med Cons New-Remed)2024;61(12):765-771
Efficacy and Safety of Pemafibrate in Chronic Liver Disease Patients with Hypertriglyceridemia
Osamu KIMURA,Hideaki OTOTAKE,Takehiko ANZAI,Kento IMAMURA,Fumiko UENO,Keiichiro HIRAMOTO,Sho ASONUMA,Akihiko SATOH,Tooru SHIMOSEGAWA
診療と新薬 2024;61(12):765-771
高TG血症合併慢性肝疾患におけるペマフィブラートの治療効果
木村修,乙竹秀明,安斎剛彦,今村健人,上埜楓美子,平本圭一郎,阿曽沼祥,佐藤晃彦,下瀬川徹
みやぎ県南中核病院消化器内科
Shinryo to Shinyaku (Med Cons New-Remed)2024;61(12):765-771
Efficacy and Safety of Pemafibrate in Chronic Liver Disease Patients with Hypertriglyceridemia
Osamu KIMURA,Hideaki OTOTAKE,Takehiko ANZAI,Kento IMAMURA,Fumiko UENO,Keiichiro HIRAMOTO,Sho ASONUMA,Akihiko SATOH,Tooru SHIMOSEGAWA
近年,ウイルス性肝疾患の制御が可能になり,脂肪性肝疾患が注目されるようになってきた。非アルコール性脂肪性肝疾患(Nonalcoholic Fatty Liver Disease: NAFLD)も代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(Metabolic Dysfunction Associated Steatotic Liver Disease: MASLD)となり,疾患概念が変わってきている。従来のNAFLDではアルコールによる肝障害は区別されていたが,アルコール摂取量を厳密に評価することはできなかった。新しい概念ではMASLDとアルコール関連肝疾患〔Alcohol Associated(Related)Liver Disease: ALD〕との間に代謝機能障害アルコール関連肝疾患〔Metabolic and Alcohol Associated(Related)Liver Disease: MetALD〕という概念を提唱することで,アルコール摂取量による肝障害の識別が試みられている。MASLDについては,SGLT2阻害剤やGLP1受容体作動薬,選択的PPARαモジュレーター(SPPARMα)ペマフィブラートなど様々な薬剤による影響が報告されている一方,MetALDおよびALDについては断酒や飲酒量低減による治療の報告が多くを占める。今回,MetALDおよびALDを含む慢性肝疾患(Chronic Liver Disease: CLD)を合併する高トリグリセリド(TG)血症のうちペマフィブラート投与例を後ろ向きに解析し,その有効性と安全性を評価した。
方法:2019年6月~2023年1月の間にペマフィブラートを投与したCLD合併高TG血症患者30症例を対象とし,ペマフィブラート投与3カ月後,6カ月後の生化学検査結果を投与開始前と比較した。さらにMASLD患者とMetALD/ALD患者におけるペマフィブラートの効果をそれぞれ検討した。
結果:対象症例の背景肝はMetALD/ALD 14例,MASLD 11例,その他5例であった。投与3カ月で有意にTGは減少し,その効果は6カ月に渡って維持された。MetALD/ALDおよびMASLD症例に分けた解析では,どちらの集団もTGは3カ月後に有意な低下を認め,6カ月後まで効果の持続が認められた。ペマフィブラート投与後,副作用は認められず,薬剤投与中止となるような有害事象は認めなかった。
結語:ペマフィブラートはMASLDのみでなく,MetALD/ALDを有する高TG血症患者においても有効であることが示唆された。
診療と新薬 2024;61(12):765-771
高TG血症合併慢性肝疾患におけるペマフィブラートの治療効果
Shinryo to Shinyaku (Med Cons New-Remed)2024;61(12):765-771
Efficacy and Safety of Pemafibrate in Chronic Liver Disease Patients with Hypertriglyceridemia
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診療と新薬 2024;61(12):772-777
介護者との連携による心不全ケアの実践:「息切れ」「むくみ」の症状を医療者に繋ぐ
今野久美子 1),佐藤直樹 2)
1)かわぐち心臓呼吸器病院 慢性心不全看護認定看護師,2)かわぐち心臓呼吸器病院 副院長
Shinryo to Shinyaku (Med Cons New-Remed)2024;61(12):772-777
診療と新薬 2024;61(12):772-777
介護者との連携による心不全ケアの実践:「息切れ」「むくみ」の症状を医療者に繋ぐ
今野久美子 1),佐藤直樹 2)
1)かわぐち心臓呼吸器病院 慢性心不全看護認定看護師,2)かわぐち心臓呼吸器病院 副院長
Shinryo to Shinyaku (Med Cons New-Remed)2024;61(12):772-777
本稿は2024年10月4日に開催された第28回日本心不全学会学術集会でのセミナー「あれ?いつもと違うかも 心不全ケアに介護者の眼・気づきを活かす~息切れ,むくみっていうけれど~」でのディスカッション内容を受け,そのエッセンスをまとめたものである。心不全を有し,在宅,施設入所者を問わず介護を受けている患者自身や,家族も含めた介護者が,心不全に特徴的な症状である「息切れ」「むくみ」を認識し,日常のケアのなかでそれらの変化に早期に気づくことで,心不全による入院の回避や治療開始の判断の手掛かりに繋がる。心不全は,介護にあたるヘルパーやケアマネジャーがその病態や進展について留意し介入することで,コントロールが可能な疾患であることをご理解いただきたい。
キーワード: 心不全,介護,ケアマネジャー,ホームヘルパー,息切れ,むくみ,血中BNP,NT-proBNP
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診療と新薬 2024;61(12):779-789
卵黄酵素分解ペプチド,鶏足酵素分解ペプチド,N-アセチルグルコサミン含有食品の膝関節への有効性試験:ランダム化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験
坂下真耶 1),石田有希子 1),山下裕輔 1),金英一 1),野口明則 2)
1)株式会社ファーマフーズ 総合研究所 開発部,2)パナソニック健康保険組合 松下記念病院
Shinryo to Shinyaku (Med Cons New-Remed)2024;61(12):779-789
診療と新薬 2024;61(12):779-789
卵黄酵素分解ペプチド,鶏足酵素分解ペプチド,N-アセチルグルコサミン含有食品の膝関節への有効性試験:ランダム化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験
坂下真耶 1),石田有希子 1),山下裕輔 1),金英一 1),野口明則 2)
1)株式会社ファーマフーズ 総合研究所 開発部,2)パナソニック健康保険組合 松下記念病院
Shinryo to Shinyaku (Med Cons New-Remed)2024;61(12):779-789
目的:卵黄酵素分解ペプチド,鶏足酵素分解ペプチド,N-アセチルグルコサミン含有食品の継続摂取が膝関節へ与える影響について評価した。
方法:KL分類で0とⅠと診断された健常者であり,かつ,膝に痛みや違和感の自覚症状を有する成人男女34名を対象として,試験食品またはプラセボ食品を12週間摂取するランダム化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験を実施した。膝関節への影響を評価する指標として,JOA,JKOM,膝関節に関する自覚症状(VASアンケート),血液検査(CTX-II,C2C,PⅡANP)を採用した。
結果:全解析対象者およびJKOM「Ⅰ膝の痛みの程度」のVAS平均値未満の対象者においては,いずれの項目も群間に差は認められなかった。JKOM「Ⅰ膝の痛みの程度」のVAS平均値以上の対象者では,「Ⅱ膝の痛みやこわばり」の12週間目の摂取前からの変化量において,試験食品群がプラセボ群と比較して有意な改善を示した。また,「Ⅱ膝の痛みやこわばり」の各設問「2.この数日間,朝,起きて動き出すとき膝が痛みますか」,「4.この数日間,平らなところを歩くとき膝が痛みますか」,「8.この数日間,ずっと立っているとき膝が痛みますか」についても,試験食品群がプラセボ群と比較して有意な改善を示した。
結論:本試験の結果から,卵黄酵素分解ペプチド,鶏足酵素分解ペプチド,N-アセチルグルコサミン含有食品の12週間の継続摂取は,膝の痛みや違和感を強く感じている者において,日常生活における膝の動き(立つ,歩く,動き出しなど)に関わる膝の痛みや違和感,こわばりを緩和する作用が確認された。
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診療と新薬 2024;61(12):791-796
目元用クリーム「プラチナハイフ」の4週間継続使用による抗シワ効果
金子剛 1),宮田晃史 2),成瀬豪 3)
1)日本臨床試験協会(JACTA),2)ミヤタ メディカル クリニック,3)株式会社スパイン製薬
Shinryo to Shinyaku (Med Cons New-Remed)2024;61(12):791-796
Anti-wrinkle Effect After 4 Weeks of Continuous Use of the "Platinum HIFU" Cosmetic Cream for the Eye Area
Takeshi KANEKO 1),Akinobu MIYATA2),Go NARUSE 3)
1)JACTA (Japan Clinical Trial Association) ,2)Miyata Medical Clinic,3)Spine Pharmaceutical Co., Ltd..
診療と新薬 2024;61(12):791-796
目元用クリーム「プラチナハイフ」の4週間継続使用による抗シワ効果
Shinryo to Shinyaku (Med Cons New-Remed)2024;61(12):791-796
Anti-wrinkle Effect After 4 Weeks of Continuous Use of the "Platinum HIFU" Cosmetic Cream for the Eye Area